Montag, 14. Februar 2011

モモ第三章②

 すると、100匹ものカエル兵たちが、「イルカ」と呼ばれている、熟練のフランコ大尉の指揮のもと、海の中に飛び込んでいった。ものすごい戦闘が海の中で起こり、海の表面は、泡だらけになってしまった。しかし、この兵隊たちは、戦闘で成果を上げられなかった。捕まった女の子二人を、助けることはできなかった。この巨大な怪物クラゲの力は、強すぎるのだ。
「・・・何かが・・・」額にしわのある大学教授が、助手たちに言った。「この海の中には、ある種の巨大成長を促進する何かがあるらしいぞ!実に興味深い」
 そうこうしているあいだに、ゴードン船長と、彼の第一航海士ドンメルは、協議し、一つの結論に至っていた。
「戻れ!」ドンメルは叫ぶ「皆のもの、船に帰還せよ!我々はただいまより、この化け物を真っ二つに切断する。それしか女の子たちを助ける道はない!」
「イルカ」大尉と、カエル兵たちは、船の上によじ登って戻ってきた。すると、あるご丸は、少しばかり後退し、その後全速力で、巨大なクラゲめがけて全力で突進した。この鋼の船の船首は、ひげそりのようにするどいのである。音もなく、そして振動もなく、そのするどい船首は、その巨大イルカは真っ二つに切断した。
 確かに、クラゲの腕に掴まれた二人の女の子にとっては、極めて危険である行為には違いない。がしかし、第一航海士ドンメルは、二人の位置を極めて正確に計算し、二人のちょうど真ん中を突っ切ったのであった。間もなく、二つに分かれてしまった巨大イルカの腕は、彼女たちの体から離れ、力なく下へ垂れさがり、二人は、助かることができた。
 二人は、船の上で、歓喜の祝福とともに、迎えられた。アイゼンシュタイン教授は、二人の女の子の方へ歩み寄り、言った。「私の責任だ。私は君たちを下へ探索に送るべきではなかった。どうか、許してほしい!私が君たちを危険にさらしてしまったことを!」
 「許すも何も・・・教授・・・」女の子のうちの一人が答え、そして、にこっと笑って言った。「そのために私たちは一緒に航海をしてきたんですよ」
 そして、もう一人の女の子も、付け加えた。「危険なことをすることが、私たちの仕事です。
 しかし、もはやこれ以上言葉を交わす時間はなかった。彼女たちを救助しているうちに、船長と乗組員たちは、海を監視することをすっかり忘れていたのだ。この間に、さまよう颱風は地平線の彼方に姿を現した次の瞬間に、ものすごい速さで、あるご丸にむかって近づいている、ということを気付くのに、ぎりぎり間に合ったのだった。
 鋼の船に、強力な第一波が襲う。その波は、船を、上方に押し上げ、少し離れたところへほうり投げ、船は50メートルはあろう船底へと落下した。
 この第一波ですでに、あるご丸の船員よりも、経験が浅く、勇気のない海の人間だったら、船上にいる半分は波に流され、もう半分は気絶してしまっただろう。しかし、我らがゴードン船長は、まるで何事もなかったかのように艦橋の上にどっしりと仁王立ちをし、船員たちも動じずに堪えていた。このような荒い航海に慣れていない、美しいモモザンだけが、救命ボートに捕伏前進して入り込んでしまっていた。あっというまに、空全体が真っ暗になっていた。嵐が唸り声をあげながら船の上へやってきて、船を塔の高さまで持ち上げたと思いきや、こんどは下にむかって投げつけた。颱風はあるご丸が、攻撃にも平然としていることに、時を刻むごとに、怒りを増しているようであった。
 静かな声で、船長は指示をだした。その指示を、第一航海士が大声で全員に伝えた。すべての船員が、その指示に従い、持ち場についた。
 アイゼンシュタイン教授や、彼の助手ですら、彼らの精密機械をなげうって、保身に走ることはなかった。彼らは、この嵐の中心に行くために、それがどこであるかを計算した。ゴードン船長は、内心、自身や、海の人間たちのように、海に慣れていない彼らが、この大荒れの海と対峙しているこの科学者たちの冷静さを、賞賛した。
 稲妻がこっちに向かって落ち、鋼のあるご丸に直撃をした。それゆえに、この船は、すっかり帯電をしてしまった。どこかに触ると、そこから火花がとんでくる。しかし、そのために何カ月ものハードな訓練を受けてきたあるご丸の船員達である。このくらい、屁の河童である。

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